薬剤師のためのQ&A
- Q.2型糖尿病患者の食後過血糖を抑制するのに、野菜を先に食べる方法が勧められるが、ご飯やおかずは、どのくらい時間を空けたら良いのか?
- A.具体的な摂取間隔は検証されていないが、食品の摂取順序による血糖コントロール改善効果を 検討した報告がある。
2型糖尿病と診断され食事療法のみで治療中の外来通院患者15名(男性7名、女性8名)を対 象とし、試験食(米飯150gと野菜サラダ90g、エネルギー340kcal)を、米飯と野菜サラダの順 番を変えて摂取させ、食後血糖値とインスリン値の変動を観察したクロスオーバー試験。米飯 と野菜サラダの摂取間隔は10分、試験食の咀嚼回数は1口20回とし、15分かけて摂取させた。 その結果、野菜を先に摂取すると米飯を先に摂取した場合と比較して、試験食摂取30分後の血 糖値は217±40mg/dLから172±31mg/dL(p<0.01)と低値を示し、インスリン値も30分後、60 分後共に有意に抑制された。
先に野菜を摂取することで、野菜に含まれる食物繊維が糖質の分解、吸収の遅延をもたらすことと、十分な咀嚼により食物繊維が細分化され糖質の拡散速度がより遅延したことが要因と考えられる。
福岡県薬剤師会 薬事情報センターより
- Q.アトピー性皮膚炎の治療に保湿外用剤は勧められるか?
- A.アトピー性皮膚炎では角層の水分含有量が低下して皮膚が乾燥し、皮膚バリア機能の低下をきたしている。乾燥した皮膚への保湿外用剤(保湿剤・保護剤)の使用は、低下した角層水分量を改善し、皮膚バリア機能を回復させ、皮膚炎の再燃予防と痒みの抑制につながる。
皮膚炎のある状態にはステロイド外用薬やタクロリムス外用薬と併用して保湿剤を外用し、皮膚炎が寛解した後も保湿剤を継続的に外用することが勧められる。保湿剤は尿素製剤、ヘパリン類似物質等がある。ただし、保湿剤による接触皮膚炎に注意する(アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版より)。
福岡県薬剤師会 薬事情報センターより
- Q.「医療用経腸成分栄養剤で牛乳アレルギーの人に使用できるものは何か?
- A.エレンタールTM配合内用剤、エレンタールTMP乳幼児用配合内用剤、ツインラインTMNF配合 経腸用液。これらはカゼイン等の乳タンパク由来物質を含まないので、牛乳アレルギーでも使用可能である。
福岡県薬剤師会 薬事情報センターより
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